渋谷西武で開催されていた、少女画家 高橋真琴展へいきました。
多分40〜50代の女性だったら、ご存じだと思いますが、なかよし、マーガレットなどの少女まんが雑誌の表紙や口絵、また筆箱やノート、ハンカチ、自転車など数多くの商品に作品を提供していました。
現在80歳、佐倉市に真琴画廊を構え、定期的に個展を開催し、意欲的に新作に取り組んでいらっしゃいます。
日米富士自転車 パネル
私も小学生だった頃、色鉛筆、筆箱は高橋真琴さんのものを使っていました。
その時はただ可愛いだけの女の子の印象しかありませんでしたが、改めて今回の個展を観て、とても懐かしく、少女画の透明感、上品さ、芯に強さなど深く感じ、癒されました。
色鉛筆 ブリキパッケージ 1960年代
世界めぐりびんせん 1960年代
筆入れ 1970年代
少女画なので、チークはピンク系を柔らかく付け、口元は愛らしくデザインされています。
アクセサリーはパールが多く、貝の中でゆっくりと時間をかけて大切に育てられる過程が美しいので、女の子にはパールが一番ふさわしいとおっしゃっています。
日米富士自転車 パネル
ほうせきひめ 1973年
大きな瞳の奥に輝く星。
少女たちの視線に吸い込まれるようでした。
「絵の中の少女はつねに微笑んでいます。でも見る人の心理状態によって少女は表情を変えるんです。少女の瞳の中の星は、見る人の心の中まで届いているかもしれませんね。」
真琴さんの言われていることは、全ての絵画、芸術作品に当てはまると思います。
思い出のアルバム 1968年
パリジェンヌ A4スケッチ 1978年
おやゆびひめ、しらゆきひめなど絵本の挿絵も、とてもステキでした。
おひめさまや少女たちは、いつも美しいお花に囲まれています。
おやゆびひめ
バラ、アネモネ、すずらんなど真琴さんのお花は、毎年一種類、今年の花を決めて庭に植え、芽がどう伸びるか、つるが巻き付くのか、花がどういうふうにつくかを見て触って確かめるそうです。
「特にバラはお花の中で格別のものです。
少女にはピンクのバラが似合います。
他の花と変えるために、輪郭線をブラウンにしているんです」
さすが! 勉強になります。。
動物たちも、とてもやさしい瞳をしています。
そこには、動物と人間はみんな平等だという思いがあるのです。
愛しのマリー 2011年
はしれ!こうま 1980年
ウエディングドレス、和服の少女画も印象的でした。
ウエディングドレスは、京都のドレス店が本物のドレスを作られ、展示されていました。
せかいの花嫁さん イギリス 「小学校二年生」10月号 1979年
和装アップスタイルも美しいです。
真琴さんの全てのヘアデザインは、しなやかさ、バランス、学ぶべきものが多くあります。
背景も丁寧で、その少女のイメージに調和した花がデザインされています。
一枚一枚、命ある少女画に、時間の経つのも忘れてしまい、何故か宗教画を観ている気持ちになりました。
そして、人をデザインさせて頂く仕事は、その人の目を輝かせることが、一番大切だと気づかされました。
目の輝きはお互いが幸せを共有し、感動を覚えます。
私にとって真琴さんの少女画は、心で見ることで語り合え、夢と希望、そして自分だけの物語を感じることができました。
おやゆびひめ 1981年